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2021.09.16 鵜沼 一郎 |
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美濃国の幽深の沢にて。ネイティブイワナ、アマゴの姿にココロざわめく |
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雁来月(かりきづき)。明け六つ……。 福井県油坂峠を水源とする大河、九頭竜川に注ぐ、美濃国の深山の流れに身を任せる。何処までも深い幽深の原生林は昼なお暗く、流れに点在する大石は苔むし、山に風が渡るとかなり冷たい沢の水との温度差で上手の景観が少し霞む。
「じ、ジブリってる……」シシガミ様が今にも現れそうな、その鬱蒼とした景観は、まるで『もののけ姫』の世界である。深々とした森の流れは、ここそという感の大場所の他にゴロゴロとした石の合間にちょっとしたポケットが多々あるので、ボクはジブリって神がかったその情景をゆっくりと堪能しながら、更にスローに、丁寧に、その小さな小窓にミノーを通していった。
ミノーの反応はすこぶる良いとはいえなかったが、それでもボクは山の神様から、かなり愉しい思いをさせていただいた次第。すこぶる目見よきイワナちゃん、そして艶やかでビビッドなアマゴちゃんが、ピピピ!と出ては身を翻してギラリと煌めき、その度にボクは魂を奮わせ、深く長い吐息をはき出すのだった……。
「嗚呼……! ううん……! めっちゃ綺麗やん……!」
衣香襟影(いこうきんえい)たるその美しさは、まさに森が育んだアートである。釣り上げる度に、思わず出てしまうボクの魂のヘンテコな叫びに、森の住民はさぞかし迷惑だったに違いない。ひととおり釣って、予定の退渓点に到達。堰堤から林道に登る。森から風が吹くと、汗だくになった躯が至極心地良い。
さて、火点し頃(ひともしころ)の温泉は何処にしようかなと、山をくだりながら考える。そんなひとときも山釣りの楽しみなのだ。良き釣りと出会いを。ラヴ&ピース。
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使用タックル |
ライン:APPLAUD GT-R トラウト エディション 5Lb ロッド:DAIWA ロッド:シルバークリーク AGS 511L リール:DAIWA ルビアス FC LT2000S ルアー:DAIWA ドクターミノー ジョイント 5S 。シルバークリーク ミノー50S。シルバークリーク ミノー 61S
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54 55 56 57 58 |
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