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2021.09.07 鵜沼 一郎 |
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大北海道大陸、深山の小渓流にてエゾイワナと戯れる |
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瓜時(かじ)の月。日盛り。 森で目覚めるということはかくも心地よきものか、と独りお脳に問いつつ、湖畔のキャンプ場を後に下川町の沢へと向かう……。
朝ぼらけの沢は、原生林の緑の天幕に覆われて少し暗く、木々の間だから射す木漏れ日が至極素敵である。しかしながらここは熊ちゃんの巣窟である。腰に鋭利な山刀とカウンターアソートを携え、事あるごとに爆竹を一連炸裂させ、何故かロシア語放送しか入らないラジオを全開にして、音程の違う二つの熊鈴を鳴らしながらいざ入渓。
陽射にキラキラと輝く流れはかなり冷たかったが、入渓の山歩きで火照った躯には至極心地よい。瀬尻の落ち込みを狙ってピュン! とキャスト! 5センチのヘビーシンキングミノーはポチャリ! と良い具合に着水。クンクン! とトゥイッチで誘うと、いきなりコン! と来てウネウネとしたローリングの気配がラインを介してグリップに伝わる……。
「嗚呼! なんて艶やかなイワナちゃん!なんでこんなに綺麗なんだろう……!」その須臾、時が止まる…。幽深の沢にて独りつぶやくも、この子が纏うその色彩の由縁を知るのは、おそらく山の神様だけであろう……。
チチン、チチチチッ! とセキレイの声が森に響く。その心地よき鳴き声を口笛で真似しつつ、ボクは再び遡行を始めた。ヘタクソな物まねがかんに障ったのか、セキレイの声はいつまでも森に木霊していた。
良き釣りと出会いを。ラヴ&ピース。
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使用タックル |
ライン:APPLAUD GT-R トラウト エディション 5Lb ロッド:DAIWA ロッド:シルバークリーク AGS 511L リール:DAIWA ルビアス FC LT2000S ルアー:DAIWA ドクターミノー ジョイント 5S 。シルバークリーク ミノー 44S。シルバークリーク ミノー50S。シルバークリーク ミノー 61S
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58 59 60 61 62 |
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